Chapter 4. どのようにメンヘラプチ起業を回していくかのヒント

メンヘラプチ起業においては、自分がキツイと感じる、土日祝は休みたいと思うような仕事を選択するべきではありません。

目先のお金よりもっと肝心なことは、果たして長期的に商売を継続していけるか。
株主がいないことが多いプチ起業では株価を上げて収益を最大化する必要はない。

ストレスを低減して、継続していくことを考えよう。(あなたが感じるストレスのレベルは事業における最重要KPIの一つだ。)

来た仕事を無差別に引き受けてはいけない。

ただ、仕事を頼む側、お客が一番聞きたいのは「Yes」であることを覚えておこう。

そして超重要なのは、「少しの、または失ったとしてもそうは痛くない程度の元手で始める」。…むしろ初めて商売を始める人は必ずそうして下さい。

駆け出しの事業主が最初にポーンと資本を投下するのは非常に危険です。はじめからうまく行かない場合が多い、というよりはじめからうまくいくことはまずないので、初めは、初期投資を抑えて、失敗を教師にして、商売のやり方をアップデート(更新)し、結果の出るやり方を見つける。

日本一の納税額を達成した斎藤一人さんは彼の著書「人とお金」で幾つかの重要な「ルール」を紹介していて、一つは、「ある程度のお金が入ってきた時、神様は「どんな使い方」をするかを見ている。得たお金で必要のないものをばんばん買いこむような人は、また「お金のない時期」に戻されて、さらなる貧乏の修行を行わねばならなくなる。ただしひとりさんは「いるものを買うのは当然良い」とも言っている。

また斎藤一人さんはこうも言う:「赤字を出さず」「出金をへらす」。これは上にある初期投資を抑えるにも通じます。

それと通じますが、ホリエモンは彼の著書「夢をかなえる打出の小槌」で、商売を非常に簡潔に定義しています ―「商売とは物やサービスを売って利益を出すことだ」。商売で利益が出ないと特に固定費が高い商売はかなりきつい状態になるだろう。

私Shihpin Linの考える商売の基本:売上を増やして、費用のムダを省く。そうしてたまったお金で、事業の発展に貢献しない無駄なものを買わずに、売り上げにつながるよう有効に投資していく。

ベンチャーキャピタルや公庫等からの融資がなくてもサステナブル(持続可能)な事業を目指すのがプチ起業としてはあるべき形。少なくとも私の翻訳事業には外部の出資は一円も入っていない。公庫に色々な資料を提出さなければならず、使途もいろいろ制約があり…まあ多少の初期投資の必要があるから公庫から引っ張ってきたいという方はチャレンジの価値はあるが、原則としては章の冒頭にあるように初期投資は最低限にするのがいい。




相手が大企業であろうと単一の一社の下請けになってはいけない。取引先を複数確保し、その数を増やしていく。私Shihpin Linの場合だと10以上確保。取引先が多ければリスクヘッジになる。一社への過度の依存は避ける。

したくないことをなるべくしないのは正しい。得意なことを人のためにやればお金になる。
超得意なことだったら、大金が稼げる。ゼネラリストにはなるな。65歳だか70歳の定年後に、死にそうに暇な状態になるだけだ。

仕事がなくなってお金が無くなるという恐れを、事業経営へのモチベーションとして活かす:

<「お金がない」に対するサラリーマンと起業家の違い>

普通のサラリーマン メンヘラプチ起業家
月給使い過ぎた、次の給料日まで節約でしのごう。 仕事が取れてないししお金も潤沢じゃない…じゃあ自分の顧客リストにコンタクト取って「お手伝いできませんか?」、後は新しいところから仕事を取ってこよう。

(営業活動に関してはいろいろなメソッドがあるので他書もご覧になって下さい)

顧客リストとは単にあなたから物やサービスを買っている人たちのリストです。絶対に作った方がいいです。

ちなみにですが、「何も考えずただ言われた通りにやりたい」という人がいたら、この本を読んでも役に立ちません。この件に関してはメンヘラ気質かどうかを問いません。

自分の事業がうまくいくやり方は「あなた」、そう「あなた」が考えなければいけません。事業の収支の最終的な数字は、全てあなたの取り組み次第であり、他力本願で行きたい人は文句を垂れながら会社に依存するしかないです。

自分で商売を始めた以上は、なるべく通勤しない。住むところから近い、出来れば歩いて行けるシェアオフィスや事務所を検討する。場合によっては自宅SOHOでも良い。自分は自宅のホームオフィスや、気分によって家の近くのカフェ等で仕事しています。レンタルオフィス会社のビジネスラウンジを契約していますが、電車に乗らないと利用出来ないので、解約を検討しています。

僕が始めたメンヘラプチ起業は英和和英翻訳者でした。

色々試行錯誤をしました(と言うか今もしている)が、上手く行ったことの一つはタイムチケット(http://timeticket.jp 自分の時間を「…します!」というチケットとして30分単位で販売することが出来るサイト。チケットの値段は自由に設定出来る。)でのサービスの販売。翻訳者インタビューされたり、英語論文の添削や改善案を出したり、東大の大学院生と仕事したこともあります。最近だとタイムチケットを購入いただいたお客様の依頼で英語教材の仕事を作っていますが、これは結構割がいい仕事で時給換算で5,000円行ってます。これは、お客さんの「教材作って吹き込んでもらえない?」というニーズに私が「Yes」で応えたからです。

「Yes」の重要性について。

例えば、ある店の横をよく通ることがよくあるとします。横を通ったあなたはその店に入って「〇〇はありませんか」と尋ねると「すみません、無いんですよ」。そうするとあなたはそこを去る。別の日に再び別の製品「★★は売ってますか」ときくと、「ごめんなさいありません」という返事が帰ってくる。こういう風になった場合、たいていの客が、この店を巡回ルートから外すのではないだろうか。NOを2回浴びせられると、こういうことになる。「★★売ってますけどお取り寄せになっちゃうんですよ~」ぐらいの返事をするとはるかに良いだろう。顧客には「イエス」で答えて、条件はそのあと詰めればよい。”Say yes to client’s problems”(お客さんの問題に対してイエスで答えよう)、これが商売のキモ。

マイクロソフトは70年代、IBMにCUI(コマンドライン)ベースのオペレーティングシステム、MS-DOSを提供したが、IBMの問い合わせを受けて、急いで他社からOSを買い取ってIBMにMS-DOSとして提供した。「OS? 作ってません」とIBMに返答していたら今のマイクロソフトは存在していないことに疑いの余地はない。

やっている事業によっては依頼したいことを明確化して、Kaori-san(http://www.meetkaori.com/ja/)などのようなバーチャルアシスタントを活用すると良い。著者も使ってみたが、なかなかどうして仕事ぶりは悪く無い。

また、ネットでの低価格帯の商品など、多数のお客を対象にしている場合、自分では物理的に全ての問い合わせに対応するのが難しいので、電話(やメール)問い合わせへの応対を月々いくらで代行してくれる業者がいくつもある。

事業で利益があげられるようあなたが試行錯誤した結果得たノウハウは、あなたの事業における最大の資産。ある意味新規参入者に対する参入障壁として機能するので、キモの部分は公開しないほうがいいだろう。仕事のやり方のノウハウ、営業方法のノウハウ、効率的な事業運営のノウハウなど。僕の翻訳事業(士林翻訳サービス:http://is.shihp.in/)にもそれはあります。

最後に、前例がなくてもやろう。僕がやったみたいな台湾に一ヶ月滞在して、仕事をこなしながら楽しむとか。人生一度、自分が楽しいことをやろう。みんなと違っててもいい。
だってあなたがメンヘラ気質なら既に「人と違っている」のだから。

好きなようにやればいいじゃない?

だって事業は冒険の旅。人生と同じく、不確実だから面白いんだ。